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自尊感情や自己肯定感を上げるじゃなく、上がるもの・・・そのために

子どもたちとは、例えば、こんなふうにかかわっていました・・・

 

いつも「無理」「できない」が口癖のようだった子どもたちが雪まつりを実現させたときのことです。

普段から次のような問いかけを子どもたちにしていました。

 

「何かやりたいことはない?」

 

すると、まるで定番かのように

 

「無理!」「できない!」の声。

 

以前から、子どもたちに、「やってみるか」というチャレンジ意欲・探究心を高め、創造性を発揮させたい思いがありました。

朝会などでは、気持ちをくすぐる話や投げかけをし、やりたいことはないかと問いかけ続けていました。

 

そんな、ある日・・・

「こんなことやりたい!」と声があがるようになってきました。

 

その一つが「ダンス」でした。初めは、好きな仲良し同士で踊るだけだったのが、最終的には、地域の老人施設や介護施設から慰問のオファーを受けるまでになったのでした。
そのストーリーも書きたいのですが、それは次の機会に(^o^)

 

今回は「雪まつり」について記します。

それは、どちらかというとネガティブ思考が強く、反抗心も強かった子ども2名からの申し出から始まったのでした❗️


「雪まつりがしたい、やってよ」と他人任せ。

 

この時点では不可能だと思っていたことを、まさか自分たちが中心になり、取り組むなど想像もしていなかったでしょう。

 

そう、地域を巻き込み、まつり当日には市長とともにテープカットにも参加し、市長はじめ自治会長やPTA会長、他の子どもたちから称賛されることなど全く予想だにしていなかったことでしょう。

 

しかも、あんな感動することになろうとは・・・。

 

校長室でのミーティングが始まりました。
普段は、他の子どもたちが押し寄せてくる(多いときは20人以上)が、このプロジェクトが終わるまでは極力、当該メンバーに時間を費やそうと決めていました。

 

まずは、自治会長やPTA会長に自分たちの思いを伝えること、そして相手の心を動かすことからだ、と伝えたところ、どうしたらいいかと考えるようになったのです。そこで、プレゼンテーションってわかる❓と尋ねると・・・

 

「わからん」と(^_^;)

 

4年生の授業で「自分の思い描くロボット」をみんなに紹介するという授業があったことを思い出させ、それがプレゼンテーションだと説明。
すると一気に理解したんです。
授業と日常が繋がった瞬間だった。

 

少し話はずれるのですが、普段の生活にリンクしない授業なんて単なる暗記の連続に過ぎないと日頃から感じていました。
つまり、学んだことを応用できてナンボということ。

 


だから尚更、この瞬間が嬉しかったんです♬

「雪まつりをしたいのはなんでかなぁ」と尋ねると、これまた「わからん」と。

 

なんのために?どうして?などとしつこく、子どもに問いかけていくことで、「目的」という言葉の意味も理解。
帰ってきた答えに感動したのでした。

 

学校のみんなに笑顔になってもらいたいから

 

次の日から、ノートと筆箱を持ってくるようになり、自らメモをとるようになりました。
雪まつりプロジェクトが子どもたちの手で進み始めました。一緒に汗を流してくれる仲間を募り、日に日に、校長室は狭さを感じるようになりました。

そうして、大きな課題である自治会長、PTA会長へのプレゼンテーションの日が訪れました。

普段、目にしない緊張した様子。

必死に伝え続け、無事、プレゼンを終えたとき・・・安堵感が。

そして、了承を得たとき、思わず出た歓喜の声。

 

全教職員が賛同していたわけではなかったのですが、子どもたちの主体的な働きかけによって、PTA会長までも動かしたことで全教職員をも賛同に導いたんです。

 

できない・無理と思っていたことができたとき、自然と湧き上がってくる自己効力感そして自己肯定感。

 

理論理屈では理解できないことが、実践実行したことで体感できたことは子どもたちを大きく成長させ、何物にも代えがたい経験となったことでしょう。

 

 

こんな感じで日々、子どもたちとかかわってきたことが要因なのか、5年間勤めた1校目を去るときには、子ども、保護者、地域から教育委員会事務局に嘆願書が出されたのでした。

離任する日が近づくと、卒業生たちも日替わりで訪ねて来てくれました。
寄せ書きや様々な手作りプレゼントを持って。

 

離任式では、体育館いっぱいに引き止める声や嗚咽が響き、今思い出しても胸が熱くなります。